マリインスキー劇場の, 大ホール

ホヴァーンシチナ


全5幕オペラ(コンサート・パフォーマンス)

ロシア語で上演されます
(演劇はロシア語と英語の同時字幕付き)

Performers

指揮者:

パベル・スメルコフ

Marfa: Tatiana Makarchuk
Dosifei: Sergei Pleshivtsev
Prince Ivan Khovansky: Anatoly Badayev
Prince Andrei Khovansky: Roman Krukovich
Prince Vasily Golitzin: Mergen Sandanov
Shaklovity: Marat Mukhametzyanov
A Scrivener: Vsevolod Marilov

Credits

モデスト・ムソルグスキーによる作曲
ドミトリー・ショスタコーヴィチによるオーケストレーション
作曲家による台本

音楽監督:ヴァレリー・ゲルギエフ

SYNOPSIS

1
モスクワにある赤の広場。夜明けになる。皇女ソフィアの乾児である大貴族シャクロヴィートゥイは、自分の息子を皇位に就けてロシアに旧体制を取り戻そうと企んでいる銃兵隊長官のイヴァン・ホヴァーンスキー公についてのピョートル1世に宛てた密告書を代書屋に口述して書かせている。一方、巡検の銃兵たちは、最近憎きボヤールたちを虐殺したことについて手柄話をしている。これらの血なまぐさい出来事を記念して、処刑された人々の名前が刻まれた石柱が広場に建てられている。群集が登場し、石柱の前に立ち寄る。彼らは、代書屋に碑文を読ませる。反乱について、銃兵隊の独裁体制について学んだ後、人々は、悲しみに満ちた思いに浸る。

銃兵たちの歓呼の声に迎えられイヴァン・ホヴァーンスキー公が現れる。続いて、ドイツ人居住区に住む娘、エンマを愛の主張で追いかける彼の息子のアンドレイ・ホヴァーンスキーが現れる。彼は約束と脅しでエンマの愛情を勝ち取ろうとする。古儀式派教徒の娘、アンドレイのかつての恋人であるマルファが、彼女をかばってくれる。 その場面を、巡検を終えて戻ってきたイヴァン・ホヴァーンスキー公が見ている。公自身はエンマに惹かれているが、アンドレイはエンマを父親に渡すくらいなら彼女を殺したほうが増だと考えている。古儀式派の指導者であるドシフェイは、少女を殺そうとするナイフを権柄尽くに止める。

2
皇女ソフィアの嬖臣であるヴァシーリー・ゴリーツィン公の屋敷の書斎。ゴリーツィン公は、将来への不安に駆られて沈思黙考している。

ドイツ人居住区の牧師がホヴァーンスキー家の恣意性を訴えに来たが、ゴリーツィン公は聞き入れようとしない。

マルファは秘密の扉を通って公の部屋に忍び込む。魔法使いの女に扮して現れたマルファは、公の流刑を予言する。迷信的なゴリーツィン公は混乱している。予言を秘密にするために、公は使用人に魔法使いの女を溺死させるように命じるが、マルファはなんとか逃げ出せる。

ゴリーツィン公の屋敷にピョートル1世の反対派が集まる。ゴリーツィン公とホヴァーンスキー公の会話は、憎しみと恐れを抱いた密かなライバル同士の喧嘩に発展し、それをドシフェイによって止めらる。彼は傲慢なプライドを捨てて、ロシアを救うことを考えようと呼びかけている。動揺したマルファが駆けつける。彼女は、命を狙われたことや、若き日のピョートル皇帝の兵士から奇跡的な救出を受けた顛末を語る。この名前を聞いて、陰謀家たちは驚愕する。しかし、シャクロヴィートゥイが持ってきた便りはもっと恐ろしいものだった。陰謀を知ったツァーリは、「ホヴァーンシチナ」とつぶやき「追いつめろ」と陰謀について調査を命じたことを伝える。

3
マルファは、ザモスクヴォレチイェ地区にあるホヴァーンスキー家にやってきた。彼女はアンドレイ王子の裏切りに耐えられない。ドシフェイは彼女を慰め、連れ去る。

目が覚めた酔った銃兵たちは、暴力的で無謀な楽しみにふける。そこへ非常におびえた代書屋が飛び込んでくる。代書屋は、居住地の住民を容赦なく殴打し、ピョートル親衛隊が近づいていると言う災難が発生したことを伝える。愕然とする銃兵たちである。銃兵たちは公に出陣を呼びかけるが、ピョートル皇帝が既に強大な力を持っていることを理解した公は出陣を拒否し、銃兵らに各々家に帰り沙汰を待てと告げて引き籠る。

4
1
ゴリーツィン公の使者が訪れて、モスクワ近郊の屋敷に避難しているホヴァーンスキー公に、彼の命が危険にさらされていると警告している。しかし、ホヴァーンスキー公は己の屋敷内でどんな災難が待ち受けるのか、と怒りを爆発させる。シャクロヴィートゥイは現れて、皇女ソフィアがホヴァーンスキー公を秘密会議へ呼んでいる、と伝える。ホヴァーンスキー公は、礼服に着替え部屋を出ようとする。その時、戸口に潜んでいた刺客がホヴァーンスキー公を刺し、絶叫と共に公は倒れる。

2
他の共謀者にも処罰が待っている。ゴリーツィン公は護衛付きで追放され、黒騎兵は古儀式派教徒の庵を囲むように命じられる。アンドレイ・ホヴァーンスキーだけが陰謀が崩壊したことを知らない。マルファは、ホヴァーンスキー公は殺害された、と伝えるが、アンドレイは信じない。空しく角笛を吹いて銃兵隊を呼んでいるが、誰も来ない。しかし、処刑に導かれている銃兵たちを見て、すべてが失われたことを悟ったアンドレイは、恐怖のあまりマルファに自分を救ってほしいと頼む。

銃兵たちがすでに首切り台の上で頭を下げようとした時、最後の瞬間に、ピョートルから派遣されたボヤールのストレーシネフが登場し、ピョートル皇帝より銃兵隊に恩赦が与えられた令状を宣言する。

第5幕
森の中にある古儀式派修道院の草地。月夜。ドシフェイは一人で過去を嘆く。古儀式派の信徒たちに万策尽きた今を悟るドシフェイである。勇気ある決意に満ちた彼は、聖なる信仰のために火の中で焼け死ぬことを信徒たちに呼び掛ける。ラッパの音が響き、ピョートル皇帝の軍隊が近づいたことを知らせる。信徒たちは祈りながら修道院へと入って行き、自らに火をつける。最愛の人と死後に結ばれることを夢見たマルファによって火の中に引き込まれたアンドレイも、信徒たちと一緒に他界する。

ABOUT THE PRODUCTION

モデスト・ムソルグスキーの「ホヴァーンシチナ」は、ロシアのオペラ音楽において特別なタイトルです。批評家がそれを「ロシア生活の年代記」と呼んだのは当然のことであり、作曲家自身が「ホヴァーンシチナ」を「民族音楽劇」と称したのも、そのためです。歴史的な筋書き、大勢のキャスト、生の人間の会話のイントネーションに近い独特の音楽言語、そして「話す」オーケストラは、この作品が例外的な場所を占めることを可能にした要素です。

「ホヴァーンシチナ」が多くのオペラの中で際立っている特徴のひとつは、明確なラブラインが存在しないことです。それは他の深くてグローバルな問題に触れるからです。最大の国での権力と影響力をめぐる血なまぐさい戦い、かつての友人や同盟国の忠誠心と陰湿な裏切り、人が死ぬ準備ができている信仰の真実と正しさは、提起されたトピックのほんの一部に過ぎません。男女間の愛は、「ホヴァーンシチナ」では、暴力も辞さない情熱(アンドレイ・ホヴァーンスキー/ エンマ)、あるいは、他の者に与えるくらいなら自分の愛の対象を焼き尽くそうとする狂信的独占欲(リューバーシャ/アンドレイ・ホヴァンスキー)という醜い極限状態でのみ描かれています。

ムソルグスキーの楽譜は、爽快な満腹感と臨場感にあふれています。大規模で変化に富んだ合唱シーン、登場人物の叙情的な表現、痛快な場面やセリフ、そしてモスクワ川の夜明けから悲惨な火災まで描ききる絵画的なオーケストラの絵画は、独自の音楽世界を生み出しました。したがって、「ホヴァーンシチナ」のコンサート公演は、風景のない妥協版の公演ではなく、この偉大なオペラ劇の豊かなニュアンスを聴かせる自己完結型の形式をとっています。 

ナタリア・ログデエバ


上演時間 4時間40分
上演中に2回の幕間あり

Age category 12+

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