Gergiev carries a disproportionate share of the music world on his shoulders. He is something of a national hero in Russia for having kept alive the Mariinsky Theatre after the collapse of the Soviet Union. Under his leadership, the Mariinsky has become one of the most celebrated – and recorded – opera companies in the world.
The New Yorker (1998)
As the star conductor he undoubtedly is, Gergiev is one of those conjurors of sounds who can draw the audience to them in such a way that it feels the earth move.
Böblinger Bote (2000)
We have all marvel Valery Gergiev at his truly inspirational music-making, which, alongside his totally unbelievable energy, passion for music, and great qualities of friendship and idealism, have forged him a unique place in the world of music"
The Guardian (2005)
has turned the Mariinsky Theatre with its centuries-old traditions into the world’s most dynamic opera and ballet company, nurturing an endless stream of brilliant singers and dancers. The maestro fully deserves his rating by Time magazine as one of the 100 most influential people in the world today.
The Times (2010)
マリインスキー劇場の芸術監督兼総裁
ヴァレリー・ゲルギエフ(ワレリー・ゲルギエフ)は、サンクトペテルブルクの指揮学校の最も明るい代表であり、伝説的な教授イリヤ・ムーシンの生徒である。ゲルギエフ は、レニングラード音楽院在学中にベルリンのヘルベルト・フォン・カラヤンにちなんで名付けられたコンクールとモスクワのでの全ソ指揮者コンクールで優勝し、その後、常任指揮者のアシスタントとしてキーロフ劇場(現マリインスキ一劇場)に招待された。彼は、1978年1月12日にセルゲイ・プロコフィエフのオペラ「戦争と平和」で指揮者としてマリインスキー劇場にデビューした。1988年にヴァレリー・ゲルギエフがマリインスキー劇場の音楽監督に選出され、1996年にその芸術監督兼総裁に就任した。 オーケストラ、オペラ、パレエ全てにおいて総括指揮権を与えられた。
ヴァレリー・ゲルギエフ がマリインスキー劇場のトップに就任して以来、様々な作曲家を記念して盛大なテーマ別フェスティバルを行うことが慣例となった。1989年には、モデスト・ムソルグスキー生誕150周年を記念したフェスティバルが開催され、1990年には、ピョートル・チャイコフスキー生誕150周年、 1991年には、セルゲイ・プロコフィエフ生誕100周年、1994年には、ニコライ・リムスキー=コルサコフ生誕150周年を記念したフェスティバルが開催された。これらの音楽祭では、よく知られた作品や譜面ばかりでなく、滅多に上演されない作品や、初演作品を取り上げている。記念フェスティバルの伝統は21世紀に続き、2006年にドミートリイ・ショスタコーヴィチ生誕100周年、2015年にピョートル・チャイコフスキー生誕175周年、2016年にセルゲイ・プロコフィエフ生誕125周年を迎えた。
また、マエストロ・ゲルギエフの尽力により、マリインスキー劇場ではリヒャルト・ワーグナーの楽劇が再び上演されるようになった。1997年に、80年以上ロシアの舞台で上演したことのない「パルジファル」が鳴り響き、1999年に 「ローエングリン」が再上演され、2003年までに壮大なオペラ四部作「ニーベルングの指環」全曲が舞台化され上演された。これは、およそ1世紀ぶりとなったロシアの舞台での4部作の最初の完全な上演であり、ロシア史上初となった原語のドイツ語による新上演であった。四部作は、モスクワだけでなく、米国、韓国、日本、イギリス、スペインでのマリインスキー劇場ツアーでも成功裏に行われた。マリインスキー劇場のレパートリーには、「トリスタンとイゾルデ」(2005)と「さまよえるオランダ人」(1998、2008)の演出が定着している。
ヴァレリー・ゲルギエフが指揮するおかげで、マリインスキー劇場交響楽団は、新しいオペラとバレエの譜面だけでなく、幅広い交響曲のレパートリーもマスターして、新しいレベルに到達した。その中では、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、マーラー、シベリウス、プロコフィエフ、ショスタコビッチによるすべての交響曲、ベルリオーズ、ブルックナー、リムスキー=コルサコフ、リヒャルト・シュトラウス、スクリャービン、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、メシアン、デュティユー、ウストヴォーリスカヤ、シチェドリン、カンチェリその他多くの作曲家による作品である。
ヴァレリー・ゲルギエフの指導のもと、マリインスキー劇場は世界中のどこにも匹敵するものがない程の、大規模な劇場とコンサートホールから成る複合施設となった。2006年にはコンサートホールが開業し、次いで2013年にはマリインスキー劇場の2番目のステージ(マリインスキー2)が開業した。2016年1月1日からは、ウラジオストクの支店(プリモルスキー・ステージ)が加わった。さらに2017年には、ヴラジカフカスにも支部が開業した。ヴァレリー・ゲルギエフは、マリインスキー劇場主催によるメディア放送、オンライン・コンサート上映、そしてレコーディング・スタジオ創設など様々なプロジェクトを行っている。2009年にゲルギエフによって創設された「マリインスキー」レコーディングレーベルが活動を開始し、すでに、チャイコフスキーとショスタコーヴィチによる交響曲とピアノコンサート、ワーグナー、マスネ、ドニゼッティによるオペラ、その他多数の作品の30枚以上のディスクがリリースされ、世界中の批評家および音楽ファンから絶賛されている。次の作品のレコーディングがDVDでリリースされている:ヴェルディ(「アッティラ」)、チャイコフスキー(交響曲)、リムスキー=コルサコフ(「サルタン皇帝の物語」、「金鶏」)、R・シュトラウス(「影のない女」)、プロコフィエワ(「ロメオとジュリエット」) 、「シンデレラ」、「賭博者」、「セミョーン・カトコ」)、シチェドリン(「左利き」)。
国際舞台においても、ヴァレリー・ゲルギエフは相変わらず精力的に活躍している。1991年バイエルン国立歌劇場(ムソルグスキーによる「ボリス・ゴドゥノフ」)にデビューし、1993年コヴェント・ガーデン(チャイコフスキーによる「エヴゲーニイ・オネーギン」)、1994年メトロポリタン・オペラ(プラシド・ドミンゴ主演のヴェルディによる「オテロ」)に登場して以来、マエストロは引き続き、世界の名だたる歌劇場との共演を成功させている。彼はワールド・オーケストラ・フォア・ピース(音楽グループの創設者、サー・ゲオルク・ショルティの死後、1997年から後継者として率いている)と共演し、ベルリン、パリ、ウィーン、ニューヨーク、ロサンゼルスの交響楽団、シカゴ、クリーブランド、ボストン、サンフランシスコの交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(アムステルダム)や他の多くのアンサンブルと共演している。ヴァレリーゲルギエフは1995年から2008年まではロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、現在は名誉指揮者として関係を継続している。また、2007年から2015年までロンドン交響楽団の首席指揮者を務めている。2015年秋からはミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、2018年夏からヴェルビエ祝祭管弦楽団の音楽監督も務めている。
ヴァレリー・ゲルギエフは、いくつもの権威ある国際音楽祭の創設者兼監督であり、「白夜の星」音楽祭(1993年から)、モスクワ復活祭音楽祭(2002年から)、ロッテルダムの「ゲルギエフ・フェスティバル」、ミッケリ音楽祭、ミュンヘンの「360度」フェスティバルなどがその代表である。2011年からはチャイコフスキー国際コンクールの組織委員会委員長も務めている。ヴァレリー・ゲルギエフは若手音楽家と仕事をすることに非常に注意を払っている。彼のイニシアチブにより、全ロシア合唱協会が復活され、それを基にマリインスキー2、ボリショイ劇場、およびソチでの第22回冬季オリンピックの閉会式で演奏したロシアの児童合唱団が設立された。2013年以降、マエストロは米国国立ユースオーケストラを指揮し、定期的にシュレースヴィヒホルシュタン州のフェスティバル、ヴェルビエのフェスティバル、パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌のユースオーケストラと共演してきた。2015年以降、マリインスキー劇場では子供と若者のオーケストラが参加する毎年恒例の「Mariinsky NEXT」フェスティバルが開催されている。
ゲルギエフは、その音楽活動や社会活動の功績により、ロシア政府から3つの国家賞(1993年、1998年、2015年)、ロシア人民芸術家の称号(1996年)、労働英雄の称号(2013年)、3等および4等の祖国功労勲章(2003年、2008年)、アレクサンドル・ネフスキー勲章(2016年)、文化芸術分野におけるロシア連邦国防省賞(2017年)、大将官グレードのイタリアの星勲章(2019年)を授与された他、アルメニア、ブルガリア、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、フランス、日本の各国政府からも名誉ある勲章を授与されている。