第1幕
サンクトペテルブルク。夏の庭園。賭博師たちは無口となったむっつりしたゲルマンの気分の奇妙な変化について話し合う。ゲルマンは友人のトムスキー伯爵に、貧しい将校である彼は、高貴な家族の少女に心奪われてしまったのだと告白する。
エレツキー公爵が友達に加わる。最近決まった彼の婚約について知らせる。ちょうど老いた伯爵夫人とその孫にあたる1人の女性が通りかかるが、エレツキーはその女性、リーザを指して自分の婚約者であると紹介する。ゲルマンはリーザが名も知らぬ片思いの相手であることを悟ったのである。リーザがエレツキーの婚約者であることを知ったゲルマンは絶望に陥る。
トムスキーは、噂では伯爵夫人がスペードの女王として知られると友達に語る。若い頃に彼女は熱心に賭博が好きで、ある日、大きな損失を被った彼女は3枚のカードの秘密を教えられた。勝利の方程式を手に入れた彼女は、それらに賭けて、3回勝った。伯爵夫人はすでにこの秘密を2人の男だけに明らかにしたが、3人目の要求者から彼女は死を予測されている。ゲルマンはその話に深い感銘を受けた。しかし、何よりも彼は幸せな恋敵の考えに悩まされている。彼はリーザを勝ち取ることにした。
リーザの婚約の日、彼女の部屋に友達が集まった。しかし、彼女はゲルマンに惹かれているので混乱している。リーザが驚いたことに、ゲルマンが突然現れる。ゲルマンは情熱的に彼女に愛を告白する。大声で驚いた伯爵夫人が現れたとき、彼はかろうじて隠れることに成功した。リーザはなんとか彼女を落ち着かせて連れ去る。
人生と愛の渇きが再びゲルマンを奪い、リーザは気持ちに抗いきれずに彼の抱擁を受け入れる。
第2幕
サンクトペテルブルクの高官の宮殿での舞踏会。リーザを連れて通りすがったエレツキー公爵は彼女の悲しみに気付き、彼女に自分の愛を伝えて安心させようとする。しかし、ゲルマンを愛するリーザは、公爵を拒否する。
ゲルマンはカード3枚の強迫観念に悩まされている。彼がその秘密を手に入れれば、リーザとの幸せへのすべての障害が一掃されるように彼には思われる。
劇の後、リーザは彼女が自由になったことをゲルマンに通知する。彼女はゲルマンの手に秘密のドアへの鍵を忍ばせる。秘密のドアを通して、伯爵夫人の寝室に入ることができ、そこかリーザの部屋に入ることができる。深夜。伯爵夫人の空の寝室。伯爵夫人の部屋へ忍び込んだゲルマンは、接近する足音を聞いて、隠れる。従者に疲れた、イライラした伯爵夫人が連れて来られる。舞踏会は彼女に若かりし善き時代のことを思い出させた…
目覚めた夫人は慄くが、ゲルマンは彼女の3枚のカードの秘密を教えるように訴えかける。おびえた夫人が何も言えないでいる。ゲルマンは窮余の策で銃を突き付けて脅すが、突然夫人は恐怖のあまり絶命してしまったことに気づく。
第3幕
兵舎の自室でゲルマンがリーザからの手紙に目を落としている。そこには真夜中に会って欲しいと書かれている。老いた伯爵夫人の亡霊が彼の前に現れる。彼女はゲルマンにリーザと結婚するように頼み、念願するカードの数字を繰りかえす。それは「3、7、エース」であった。
川の土手。運河の傍でリーザがゲルマンを待っている。ようやくゲルマンは現れる。リーザに続いて、ゲルマンは優しく愛情のこもった愛の言葉を繰り返すが...老いた伯爵夫人がついに3枚のカードを指名しており、これから勝つために賭博場に急がなければならない。もはやリーザのことすら眼中にない彼は走り去ってしまう。全てを失ったことを悟り、リーザは自ら命を絶つ。
賭博場の常連が楽しんでいる。ゲルマンに復讐しよう思っているエレツキーが現れる。ゲルマンは伯爵夫人が指名した2枚のカードを賭けて勝利する。誰もが唖然である。ゲルマンは持てるものすべてを3番目のカードに賭ける。エレツキーは挑戦を受け入れる。カードを見せると彼の手にあるのはエースの代わりにスペードのクイーンだ。
復讐を遂げた伯爵夫人の幽霊の哄笑を目にして、リーザの許しを請ながらゲルマンは自らの命を差し出す。