第1幕
公務で来日した米海軍のピンカートン中尉は、後に妻となる蝶々さんと暮らすために家を購入する。ピンカートンは、アメリカ領事のシャープレスに蝶々さんへの熱い想いを語る。
ピンカートンは彼女と「990と9年間」一緒に暮らすつもりだが、日本人女性との結婚はアメリカでは通用しないので、いずれアメリカ人女性と結婚する選択肢は残っている。ピンカートンの軽薄な態度は、シャープレスをがっかりさせる。
シャープレスは、若い少女の人生を台無しにしないように中尉を説得し、彼がこれから引き受けようとしている義務の重大さを彼に納得させようとする。しかし、ピンカートンは領事の忠告に無関心である。
日本人少女たちの笑い声が聞こえてくる。そこへ蝶々さんが仲間とともに現れる。彼女はピンカートンに親族や友人を紹介し、彼のために先祖代々の宗教を捨てたことを告げる。
婚礼の儀式は、蝶々さんの叔父のボンゾの登場によって中断される。彼は蝶々さんの改宗を怒って詰問する。 親族や客は軽蔑して去っていく。ピンカートンは、蝶々さんを優しく慰め、誠実な永遠の愛を誓う。
第2幕
ピンカートンがアメリカに渡ってから数年が経った。音信不通ではあるが、蝶々夫人は夫の帰りを信じている。仏像の前で祈る蝶々さんの下女、鈴木さん。蝶々さんは、東洋の神を呼び出したことを優しく咎める。シャープレスがバタフライへの手紙を持って入ってくる。彼はピンカートンからそれを受け取り、アメリカ人女性との結婚の知らせに蝶々さんの準備をするよう依頼されたものである。しかし、シャープレスの前にゴローが現れ、バタフライを裕福で高貴なヤマドリ公と結婚させようとする。ヤマドリ公は蝶々さんに結婚を申し出るが、蝶々さんはそれを丁重に、しかしきっぱりと断る。ピンカートンに捨てられたらどうするのかと、用心深く尋ねるシャープレスに、彼女は自殺すると尊厳をもって答えるのだった。シャープレスは、悲劇的な結末は避けられないと悟る。
突然、湾の向こうから大砲の銃声が聞こえてくる。蝶々さんは近づいてくる船を見て、ピンカートンが戻ってきたことに気づく。愛する人を待っている間、バタフライはスズキが桜で家を飾るのを手伝う。彼女はウェディングドレスを着る。しかし、夜は更け、ピンカートンははまだ来ない。
第3幕
夜明けが近づいてくる。寝ずの番をしていた蝶々さんは部屋に引きこもる。彼女が不在のとき、ピンカートンとシャープレスが家に現れる。スズキはピンカートンが戻ったことに非常に喜んでいるが、中尉に同行しているアメリカ人女性に気付き、悪い知らせだと察知する。シャープレスはピンカートンにバタフライに会わずに去るように説得する。家と彼の思い出に優しい別れを告げた後、ピンカートンは去っていく。
蝶々さんが部屋に駆け込むと、ピンカートンではなく、シャープレスが見知らぬ女と一緒にいるのを見つける。泣いている下女を見て、蝶々さんは何が起こったのかを悟る。ピンカートンのアメリカ人妻ケイトは、蝶々さんに息子を渡してくれるよう懇願する。結局、蝶々さんは、ピンカートン自身が依頼することを条件とし、息子を渡すことを約束する。シャープレスとケイトがピンカートンを追いかけると、蝶々さんは短剣を取り出す。
息子に別れを告げた後、彼女は自らを刺し殺す。